サイトナの作文れんしゅう

毒にも薬にもならないようなことをつらつらと書いたエッセイのようなものです。

朝の通勤ラッシュでごまポテトはつぶれるか

毎朝、埼玉県の和光市から御徒町まで電車で通勤していた。ちなみに御徒町駅ってのは、上野駅のひとつお隣の駅です。
東武東上線と山手線を乗り継ぎ、毎日埼玉の県境を越えて東京へと向かっていたおれ。
埼玉県から東京に通勤している人はかなり多く、とても混んでいる。電車がね。だれもアスパムが混んでる話なんかしてないよ。どこそれ。あ、アスパムって青森にある三角形の建物で中は観光物産館です。しかもそんなに混んでないです。

どのくらい混んでるのだろう。
よく乗車率150%とか、200%とかで表されてるけど、いまいちピンとこない。無理なく車両に乗れる人数を100%として、どれだけ人が乗ってるか、てことなのだろうか。
じゃあ、それは人数で決まるのか。同じ人数でも、働くおじさんお兄さんお姉さんが100人乗ってる車両と、曙が100人乗ってる車両じゃ混み具合が全然違うと思うんだけど。曙乗りすぎ。
そこで混み具合をわかりやすく調べることにした。通勤カバンの中に、近所のスーパーいなげやで買った人気のパン、ごまポテトを入れておいて、人ごみでどれくらいつぶされるかで混み具合を測ろうというものだ。

まずは計測当日、朝食用に買ったごまポテトを食べるのを我慢し、通勤カバンへ入れる。もちろんまだつぶれていない。
東武東上線和光市駅に電車が到着する。既に人がぎゅうぎゅう乗ってる。
いざ出陣、ごまポテト。
いつもは網棚の上とか足元に通勤カバンを置くのだが、今日はしっかり手に持って、ごまポテト臨戦態勢だ。
前に立ってるおやじが背中で押してくる。おれも苦しいが、ごまポテトも苦しい。でもいつもより心なしか混み具合が少ない気がする。せっかく計測するんだから少しはごまポテトくんにはつぶれてもらいたい。がんばれ。
電車が池袋に到着。ここから山手線に乗り換えだ。
池袋に大量に吐き出される人ごみに混じり、おれも池袋駅構内へ。そして通勤カバンの中身を確認。ごまポテト、やや疲れ気味だが、形状は維持している。うん、おいしそうだ。
今度は、山手線の池袋駅にやってくる電車に乗る。
実は山手線の池袋から東京・上野方面へ向かう電車はやや空いているのである。品川方面からやってくる電車は、大半の人が新宿や池袋で降りてしまうので、池袋から東京・上野方面へ行く分には空いてる、てことだ。それでも、日暮里や上野では毎朝大量に人が乗ってくるので、そこが今回のポイントだ。ぽいん。
池袋乗車時では、余裕のごまポテトだ。大塚、巣鴨駒込、余裕余裕。
日暮里でどかんと乗ってきた。ドアが閉まるまで人に押し出されないように踏ん張るおじさんがいるくらいの混み具合。ごまポテト、苦しい。
上野では人がかなり降りるのだが、降りた人数分また乗ってくる感じだ。ごまポテトくん最後の難所だ。ただ、前にいるのがおじさんでなくお姉さんになったから、ごまポテト、ちょっとうれしいぞ。何言うてるか。
御徒町に無事到着した。いや、無事かどうかはまだわからない。通勤かばんを開け、ごまポテトくんの生存を確認する。あれだけ押された割には、やや少しつぶれたものの、ほぼ元の形を維持していた。おー、すごいぞ、ごまポテト。

その後、仕事場で一仕事終えたごまポテトくんを食べる。生地がやや固めだ。フランスパンのような生地。もしかしたらごまポテトくんはいなげやのパンの中では強いやつだったのかもしれない。
結論としては、東武東上線と山手線の朝のラッシュはかなりのものではあるが、ごまポテトくんをつぶすほどではなく、また、いなげやのパンの中で、ごまポテトくんはかなり強い方であるということがわかった。
なんだこの結論。まあ、そういうことだ。ごまポテト、ばんざい。